第5章 疑心
スタスタスタスタ…
タッタッタッ…
廊下には歩く音と小走りしている音が響く
そこでくるっと男の人が振り向いた
「何か用か?」
その男の人は声は低く…、真っ直ぐな目…
その目に吸い込まれそうになった。
『あ、えっと…』
久しぶりに話しかけられたため口篭ってしまう。
「こんな所にこんな可愛らしい人が…もしかして君も国家錬金術師になりに?」
少しかがみこんで目を見てきた。
『は…い、そうです…国家、錬金術師になるために、来ました。』
私の声は小さく…彼に聞こえただろうか…
『あ、あと…可愛くなんてないです』
「ははっ、何を言ってるんだ。こんなに可愛い…
目も綺麗だ…宝石のようで」
すっと頬に手を添えられた
『…っ!?』
なんだから分からないけど不思議な感覚
触られるとすっごく心臓が早くなった気がする
『あ、あのっ!試験…始まっちゃいます』
そう言うと
「あぁ、そうだななら一緒に行こう
私の名前はロイ・マスタングだ君は?」
手を差し伸べ彼…ロイ・マスタングは言う
『………・マスリック』
私はそっと手を添えた
「よろしくな、」
と言い私の手を掴んで引っ張ってくれた