第1章 ショートケーキ(月島)
そんなこんなで私と蛍は大体つかず離れず。
お互い学校には別の友達が居たし、小学校も3年に上がると、1人でお留守番出来るでしょう?と蛍の家を行き来することも少なくなっていた。
それでもなんとなく習慣的なモノで、時間が合えば一緒に学校も行くし、帰ってたけど。
でもやっぱりコミュニティーも違えばそれぞれを取り巻く環境も違っていて。
少しずつ私と蛍は疎遠になっていった。
それを寂しいと思うこともなく、本当に少しずつ疎遠に。
私は特に趣味という趣味もなくて、放課後は気の合う友達と外で遊ぶか、家でゲームして暇を潰すか。
どっちかしかなかったけど、蛍は違った。
明洸君の影響でバレーボールを始めて少年団に入って、多分そこで出来た友達なのかな、山口君って言う子とよく一緒にいるのを見かけた。
男の子っていいなあ、私も男の子なら混じっていろいろ遊べたりしたのかなあ、とか思ってたけど。
でも所詮私は女子で、蛍は男子で。
それまでの比じゃないくらい遠くに行ってしまうその背中を、私はただ寂しく見送っていたような気がする。