第4章 クリスマスパーティーと二人の逢瀬~
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翡翠のお店を出た後でのこと。
「ねぇ、家康?」
家康「何歌恋。」
「御茶屋さん寄っていかない?一緒にお団子食べよ!」
家康「良いけど、いきなりどうしたの?」
「だってすんごーく久しぶりに二人でデート、逢瀬なんだよ?」
家康「そうだけど。」
「だって、こうやって家康の隣にいるといつも桜花が入り込んで来るじゃない?」
普段は子ども達が自分達の間にいる。家康自身も、一国一城の主。
ただでさえ忙しいのに、新たな時代が来るとかで余計にここ数年は忙しかった。
ましてや、駿府城では城主とその妻ゆえに、中々二人で過ごすことも、昔ほど出来なくなっていた。
「もちろん、子ども達が居て過ごす時間も私は好きだよ?、でも今日はせっかく二人で過ごすことが出来るなら、ただの家康と、ただの私で過ごせない・・・かな?」
家康「ふっ、歌恋って案外ヤキモチ妬きなんだね。」
「そうだよ?私これでも我慢してる方なんだから!知らなかった?」
家康「初めて知った。覚えておかないと、歌恋のヤキモチ妬きは子ども達と同じくらいって。」
「もぉー!そうやって・・・馬鹿にしてるでしょー!」
城下のお茶屋で甘味を食べたり、その後子ども用の玩具を見たり、髪飾りや小物を見たり、傍から見るとごくごく普通の恋人同士の逢瀬にしか見えなかった。
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御殿に着き、部屋着に着替える時に家康の着ていた羽織を衣桁に掛けていると・・・
「今日は楽しかったね!」
家康「歌恋はしゃぎ過ぎだから。」
「だって、こんなに二人でどこか出かけたりしたの久しぶりだったし、ごく普通の逢瀬なんて本当久しぶりだし。」
家康「そういう所本当に変わらないね。まっ、そういう所好きだけど。」
「えっ・・・?」