第4章 クリスマスパーティーと二人の逢瀬~
ふと、歌恋が隣にいる家康の着物をツンツンと引っ張り、不安げな顔で見つめていた。
家康「どうしたの?」
「ねぇ、やっぱりこの羽織り、もう今の家康には派手じゃない?」
あの時には丁度いいと思ってたが、やはり、歳が行って派手目に見えるように思えてどうしても不安になる。
家康「歌恋が作ってくれたものだから、気にしない。それに、これは大切なものだから。」
不安を取り除くように手をぎゅっと握ってくれ、徐々に安心したのか歌恋の顔からも不安が抜けていくようだった。
家康「本当は家族そろっての湯呑みをおくるつもりで用意してたんだけど、くりすますには間に合わないから。」
だから首飾りを選んだと教えてくれた。
「家族でおそろいの湯呑み!!素敵だね!出来上がり楽しみだな!首飾りも湯呑みも、桜花の鏡も家康が選んでくれたんでしょ?ありがとう。」
家康「別に。ただ好きそうなやつだったから」
(こういう時に本当は素直にいえたらいいんだけど、自分の性格上それは難しい。でもこの10年でだいぶマシにはなったと思う。)
「そっか…でも家康が選んでくれたものなら私は何でも嬉しいよ」
(きっと家康が考えて選んでくれたりしたんだろうな…、恥ずかしくて照れちゃうときはたいていそっぽむいて、少しほっぺが赤くなってるんだよね。)
歌恋は家康の腕に絡みつき、城下の道を家康と二人で歩いた。