第4章 クリスマスパーティーと二人の逢瀬~
それから少し経って、二人で城下を歩くことにした。
家康から貰った首飾りと、10年前に貰った耳飾りと着けて出てきた歌恋。
家康と言えば・・・
「あの晴れ着、着てもよかったんだよ?」
家康はあの晴れ着は『特別な時に着たいから』と、10年前に作った羽織を着て出かけていた。
10年前に家康に作った羽織。あちこち綻びや刺繍なども少し直したりして今も尚使ってくれている。
金色に近い黄色の生地に裾には黒の葉の模様とその家に梅の花が散りばめた羽織。
若い時の家康に合うように作った羽織。
今となっては少し派手な様な気がする。そんな思いを少ししながら・・・
家康「歌恋だって、10年前に挙げた耳飾りを着けてるし。」
「だって…、これ家康が初めてのクリスマスの時にくれた、大切な思い出の耳飾りだもん。」
真珠が3つほど連なった下に小さなハートの翡翠の石が付いている。
ここ数年は付けていなかったが、安土城に来るときに、家康の羽織と一緒に持ってきたのだった。
家康「歌恋、少し寄りたいところがあるんだけどいい?」
家康は10年前に贈った耳飾りと、今回渡した首飾りを作ったお店に一緒に行こうと思った。