第4章 クリスマスパーティーと二人の逢瀬~
少し涙ぐみながら、また歌恋も部屋の奥から、いくつかたとう紙に包まれた着物を持ってきた。
家康「これは?」
「私から、家康へのクリスマスプレゼント。」
家康「中、見てもいい?」
「うん。」
家康がいくつかあるたとう紙の中から、まずは一番大きなものを手に取り、開いた。
家康「すごい…」
たとう紙から取り出したのは羽織りだった。
それは黒紋付の羽織りで、胸のあたりに金の糸で家紋が刺繍され、羽織ってみると着心地は今までにないくらいの着心地の良さ、下の袴も取り出してみると、小判柄の模様、上は月の色に近い白、そして銀、裾は黒というだんだんと色が変わっていく。上の羽織りともぴったり合い、今の家康のためにあるような物、そのくらい高級かつ仕上がりは丁寧で、家康は言葉も出なかった。
「気に入らなかった…かな?」
家康「いや、その逆だよ歌恋。凄くいいよ、この晴れ着。」
「よかった…、この反物を見たときね、駿と並んでこれで作った晴れ着を着ている家康がすぐに浮かんだの。」
晴れ着を手に取り、満足そうな顔をしながら話す歌恋見つめながら家康は改めて、今目の前にいる歌恋の事、歌恋のすべてが本当に愛おしい、この先もずっと守っていきたい、傍に居たい、大事にしていくと思ったのだった。