第4章 クリスマスパーティーと二人の逢瀬~
家康side
本当はもう少し早くに書いておくつもりだった。
思ったよりも政務が建て込み、歌恋や桜花の贈り物選びや準備などで時間が思ったよりも取れなかった。
少し違和感ある言い訳だったかもしれないけど・・・。
この10年、歌恋には感謝してもしきれないくらいだ。
出会って弱い存在だと思ってたけど、だんだん目が離せなくなって、自分が今川の残党にやられて大怪我をした時には必死になって看病してくれた。
天邪鬼で秀吉さんみたいに甘い言葉を言えるわけでもない、政宗さん見たいにかっこ付けることも出来ない。
信長様見たいに人を惹き付けることや、直球で言葉を言えるわけでもない。
それでも『家康のお嫁さんになりたい。』そう言ってくれた。
祝言挙げてしばらく一緒にいられない日々が続いたけど、少しして駿を身ごもった。
「駿府城から一文字取って“駿”って名前にしよう!」
そうやって決めた名前。
「駿は大きな心と深い愛で人を包み込んでくれるように、家康みたいに立派な武将になれるように」
って言ってつけた。