第3章 大切な二つの贈り物~二つで一つ~
それからしばらくして、今日はもみの木変わりの木を見つけてきた政宗と三成。飾り付けをするからと子ども達を安土城に連れていった。
「行ってらっしゃい!楽しんできてね!」
駿「行って参ります!」
桜花「いってきまーす!」
「政宗、三成君、今日から3日間子ども達をよろしくお願いします。」
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今日から3日間駿と、家康の晴れ着作りに専念をするため信長様や他の武将達が気を使って子ども達を見てくれることになった。
家康は昨日から秀吉と織田の領地の外れにある村に行っている。
何日か前にその村で大雪が降り、雪かきで怪我をしたり、寒さで体調を崩す者が多くなったりしている、雪かきの人手も足りない為、秀吉と家康がそれぞれ男衆を連れて数日その村に滞在する事になった。
「良し、何とか3日で仕上げないと!」
駿の晴れ着はほぼ完成した。問題は家康。
時間が無い中での作業は思ったよりも捗らなかった。
家康への贈り物は晴れ着を作る事にした。
来年息子の十歳のお披露目で着られるようにと。一目惚れで買った反物だが、偶然なのか?それとも必然なのか?それとなく息子の晴れ着と似たような色合い、生地を選んで居た。
シュルシュルシュルー
家康用の晴れ着の反物を部屋に広げてみた。
「本当に綺麗な反物。」
黒地のその反物は羽織用に、薄手の襦袢も黒。触り心地も良く高級感が漂う。