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【ハイキュー!!】happy ignorance R18

第5章 uncomfortable fact


side 及川 徹

ピンポーンと間抜けに響く、インターホンの音に舌打ちが出る。
今から和奏の家に行こうと弾んでいた気持ちが出鼻を挫かれた気がしたから。

そういう予感って当たる物で、モニター越しに見えた飛雄ちゃんの表情を確認した途端、あまりにも面倒臭そうなので、無視しようかと思った…のに。

ピンポーン。
ピンポーン。
ピンポーン。

「ねぇ、何のつもり?及川さんのお家の人のご迷惑になるとか、考えない訳?」

一定間隔で鳴り続けるインターホンに、諦めの気持ちで玄関のドアを開かれば、モニター越しに確認した通り、酷く怒った様子の飛雄ちゃんが居た。

「及川さんに話があります。」

「…俺の話、聞こえてた?そんな人を刺殺しそうな表情で歩かれると、近所迷惑なんだけど。」

「皐月の事です。」

これだから直球馬鹿は扱いに困る。
話をうやむやにする作戦が水の泡だ。

「俺は和奏の事で、飛雄ちゃんと話す事なんてないよ。」

こっちもハッキリ言ってあげないと、わからないらしい。

「もう皐月に関わらないで下さい。」

本当に馬鹿の相手は疲れる。
話が通じなさ過ぎて、疲れる通り越して、ムカつく。

「なんで、飛雄にそんな事言われなきゃならないのさ。本当に王様にでもなったつもり?」

どの立場で、この及川さんに文句言ってるのか知らないけど…今まで和奏に言い寄った馬鹿な野郎ども同様、再起不能にしてやる。

わざわざ一番言われたくないだろう王様と言う言葉で煽っても、飛雄がこちらを睨み付ける視線は怯む様子もない。
そんな視線を睨み返すと、ザワっと居心地の悪い感覚が足元から這い上がって来るようだ。

「俺、皐月に話しました。2人が…いや、及川さんが皐月にやってる事がどれだけ間違ってるか。」

それを聞いた途端に、考えるよりも先に体が動いて飛雄の胸倉を掴んで、壁に押し付けた。
体勢的には俺が圧倒的に有利なはずなのに、全く引く気配のない飛雄の視線に、声が出ない。

「皐月に話しました。キスや…それ以上の事は恋人同士でやる事だって。」

何…してくれてんだよ。

「…和奏は?」

「泣いてました。」

飛雄を壁に突き飛ばし、身を翻す。
後ろで飛雄が何か言ってるが、知ったこっちゃない。

和奏…。
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