【ハイキュー!!】happy ignorance R18
第3章 repentance comes too late
またしても、考え込んでしまった俺。
和奏がそんな俺の様子に気付いた気配を感じて慌てて口を開こうとすると、和奏に先越された。
「あっ、もちろん徹に好きな人が出来た時は、私も何でも手伝うから!」
「…何でも?」
「あっ…うん!私にできる事なら。」
…何でも。
そう笑顔で言う和奏が、俺の本当の望みを叶えてくれるはずもないのに。
「…じゃあ、とりあえずこっちに来て?」
「え?もしかして徹にも好きな人が出来たの?」
頭の上にクエッションマークを浮かべながらも、言う通りにこちらに近付いてくる和奏を太ももの間に挟んで抱きしめる。
「いるよ。好きな人。」
それだけ短く伝えると、驚いた顔の和奏にキスをする。
やっと、俺の腕の中に戻って来た。
和奏の柔らかい抱き心地と、石鹸の匂い…それだけで反応してるとか、俺どんだけ余裕ないのさ。
いや、昨日のあの感覚を知っちゃったらしょうがないか。
「好きな人って誰?私も知ってる人?」
口を離すと、そんなに可愛くない事を言う和奏。
君だよ。
心の中でそう答えながら、もっと深く口づけをすると、和奏も質問の答えを聞き出すことは諦めたのか、その意識がキスへ完全に移ったことがわかる。