第9章 あとがき
12月25日
【聖夜の翡翠Princess】
一冊のノート。
その表紙にタイトル名を書き込んだ。
冷めたコーヒーを一口飲んで、
肩をコキコキ鳴らす。
入力が済んだ文章を読み返して、チェック。暫くパソコン画面を見つめ……
一度、大きく深呼吸をして。
(……投稿!)
作品を送り出す。
すると、三点セットの一つ。
着信音が鳴り、登録した覚えもないのに『猿飛佐助』と、表示が。私は、おずおずと電話に出ると……
「お疲れ様です」
「え!?ってか、な、何で電話!?」
「指令通りに書いて頂き、ありがとうございます」
完全に無視されつつ、呑気にとりあえず用件を聞くと、明日の26日にもう一度、本能寺跡に来て欲しいと言われ……二の次返事をする。
電話を切ろうとした時。
「一つ聞いても、良いですか?」
真剣な声。
作品内に……
私は途中で言葉を遮り。
「何かが伝われば良いな。その想い一つです」
「何かですか……」
「何かですよ?」
この作品のページを捲って頂けたら……
それが、私にとったら奇跡。
読んで頂いて、もし何かが伝われば……
それはもっと、奇跡。
「私は、夢が好きです」
広がる無数のドリーム。
「夢を綴れる筆は、魔法の杖。あくまでも個人的にですが、そう思っています」
「そうですか。それで作品のテーマは、奇跡と魔法」
「ちぃーたん様、chocola☆彡様、素敵な書き手さんお二人と、コラボ出来たなんて、この上なく私にとっては奇跡です」
私は携帯を机に戻すと、ノートを手に取り、部屋のカーテンを開ける。
どうか、届きますように……
いつも、支えてくださる方へ。
お間抜けと、交流してくださる方へ。
作品をいつも読んで下さっている方へ。
この作品を読んで下さった方へ。
感謝と幸福を込めて……
少しでもXmasプレゼントとして、
お届け出来ますように。
ホワイトクリスマスの夜
窓際に一冊のノートを置いた……。
再び、奇跡が……
「明日かぁ…楽しみ!って!あわわっ!私、ずっとビジネスホテルにいたぁぁぁ!」
魔法使いになりたい!
【Merry♡Christmas】