第6章 【聖夜の翡翠princess】第三幕
賑やかな駅前。
クリスマスの曲や、光で溢れかえった
中、ひまりは人混みを掻き分け、立ち寄った店、身体を暖める為に待ち合わせ場所まで時間を潰していた、喫茶店。
自分の記憶を辿りながら、一件、一件。魔法使いのオーナメントを探す。
(どこで落としたんだろうっ……)
みつばへの、
大切なクリスマスプレゼント。
ーーみつばちゃん。サンタさんに何をお願いしたの?
ーー魔法使いになれる魔法!
ーーえ?魔法使いになれる……?
ーーうん!お姉ちゃんが三つ葉の花言葉は、幸福って教えてくれたでしょ?それでね!お母さんとお父さんに、何でみつばって、って付けたのか聞いたの!だから、だから、幸せを届けたいの!
大好きな人に、笑顔の魔法!
名前の由来の話は今度話すと言い、みつばはプレゼントを開ける前の好奇心を、ぎゅうぎゅうに詰め込んだ……そんな笑顔を見せた。
その時に思い出したのは、かつて自分も【魔法】を、サンタにお願いした頃のこと。
そしてみつばが、
病室でいつも読んでいたのは……
シンデレラの絵本。
自分はかつて、プリンセスに憧れ……
みつばは、魔法使いに憧れた。
しかし、好きな絵本は同じ。
それが、ひまりは純粋に嬉しかった。