第5章 【聖夜の翡翠princess】第ニ幕
すると、何故か秀吉先輩と明智先生の二人は顔を見合わせるのが見えて……
「どうかしました??」
首を傾げる。
「い、いや。何でもない。なら、長居は出来ないなと思ってな。これか?家康の衣装は……」
「はい!昨夜、家康に頼まれて。出来れば、今夜までに置いてきて欲しいって」
風呂敷包みを秀吉先輩に渡すと、隣に立っていた明智先生に私の白無垢のことを聞かれ、この前、完成して先に預かって貰っていることを話す。
「ウェデイングドレスはこれから、制作で……まだ、デザインもちゃんと決めれてなくて」
色々とアイデアが浮かび過ぎて、なかなか決めれない。何たって、一生に一度の花嫁の衣装。
高校生二年生の進路希望書に書いた、補足と一緒に、初体験の時のことを思い出してしまい、ポッと頬が熱くなる。
マフラーで、
頬っぺたを隠そうとした時。
「間に合うのか?来月だぞ」
「その時は、シーツを一枚巻いてこれば良い」
明智先生の言葉に今度は、ボッ!っと、湯気が出そうなぐらい顔が真っ赤に染まる。
「何を思い出したんだ?」
「な、何でもないです///」
秀吉先輩に、
頭をくしゃくしゃ撫でられて。
「シーツで何か、思い出したのか?クッ、クッ」
(頭の中を覗かれたみたいで、恥ずかしいっ///)
喉を転がす明智先生。
変な所は特に鋭くて、本当に困る。
そんな二人に見送られながら、
私は政宗の店に向かった。