第4章 chapter4
アリス「どこでその写真を手に入れたの?」
アーデン「写真を撮ったのは俺じゃないよ」
聞きたいのはそうじゃない。
後で聞けばいい。
今はルーナと話しをしなきゃ。
アリス「アーデンとは望んだ結婚じゃないよ」
ルーナ「政略結婚なんだね?」
首を縦に振るう。
アリス「そろそろ、ホテルに帰るね」
ルーナ「またね」
出口付近に差し掛かった所で、私は振り返って言う。
アリス「ノクト達はここに、もうすぐで来るよ」
私はそう言って部屋を出て行く。
外に出ると雨が降っていて、先にレイブスが傘を差さないで立っていた。
傘をレイブスに入れようとするアーデンは言う。
アーデン「花嫁姿見られなくて残念だったね」
レイブスは、一歩前に出てアーデンの傘から出る。
アーデン「水神の討伐準備時間掛かったね、軍を動かすの大変? そうだ、ルナフレーナ様に会えた?」
レイブス「いらん、心配だ。 ルーナには会えてない」
アーデンは型に傘の枝を乗せて言う。
アーデン「あの人も食わせ者だよね、適当なこと言ってさアリスばっかりに話しかけて、俺なんか無視」
歩き出すレイブスアーデンは続けて言う。
アーデン「まぁ、異国出身なんて、頭の固い人間もいるしからね、まぁお兄様にしては討伐を急ぎたいだろうけど俺神話し詳しくてね」
ホテルのロビーに着くと、アーデンは『俺仕事があるから先に部屋で待ってて』と言われた。
部屋に戻ると後ろからレイブスが着いて来る。
護衛してるの?
監視?
部屋の扉を閉めようとすると、ドアの開閉を阻む。
レイブス「話がある」
アリス「話って何?」
手首を掴まれて、廊下に引きずり出される。
ロビーにまた戻り、ソファに座るレイブス。
レイブス「ここに座れ」
隣に座るとレイブスは私を睨んで言う。
レイブス「お前はこのままでいいのか?」
アリス「このままって?」
ため息をついて言う。
レイブス「全部話さなきゃ分からないのか。 鈍い女だいいか? 宰相の婚約者のままでいいのか? あいつはろくな奴じゃないぞ」
アリス「良くないよ、望んでない結婚だし。 好きな人だっているもん」
入り口に私は背を向けていたから、レイブスが急に黙った理由もわからない。