第6章 戦国時代のX'mas ~二人の甘い朝~
「ん~…?……写真…?」
「しゃしん?」
「えっと……景色とか物を見たままのものを、切り取られたみたいに形に残るものなの…」
「ふぅ~ん……」
「でも、なんで写真が、この時代にあるんだろうね?カメラもないはずなのに…」
もしかしたらあるのかな?と微笑みながら、ころんとうつぶせ寝になった陽菜。カメラを探そうとパッと顔を上げると
「あれ?家康の着物の上にもあるよ。」
「え?」
家康も、同じようにうつぶせ寝になり、自分の着物の上に置いてある写真を手に取る。
横から陽菜が、写真を覗きこむと
「私のところに置いてあったのとは違うね。」
「そうみたいだね。……それよりこれって何なの…?」
家康は写真に写っているものを指さして、陽菜に聞く。
「それ、私の時代だと、ほとんどの男の人が持ってるものなの。」
「へぇ…。じゃあ陽菜のは、女の人皆持ってるの?」
「さすがに、これ持ってる人はいないよ。でも、女の人なら、誰もが憧れるものかな…。」
瞳をキラキラとしながら、写真に写っているものを見る陽菜。
時折、吐息をこぼしながら「綺麗……」と洩らす声。
その声を聞きながら、家康は、写真を見ながらうっとりする陽菜の顔に見惚れていた。
「それにしても、誰が置いたのかな?………あ。」
「??……あ。」
何か手掛かりがないかと思って、写真を裏返す陽菜。
陽菜の声に、家康も写真裏に目を向けると
そこには…………