第5章 戦国時代のX'mas ~二人っきりのX'mas~ ※R18
陽菜が続きの間に入ってから家康は……
「……はぁ……(何、これ……)」
いつも以上に眉間に皺をよせ、額に手をあて、目を瞑り、深くて重いため息を吐いた。
『家康さんへ
今日はありがとうございました!
陽菜もすっごく楽しんでましたし、何より、陽菜の可愛い可愛い『さんた服姿』が見れて、家康さんも満足したと思います!
それで、もっと満足してもらえるように指令を書いときます。
『陽菜に『壁どん』か『床どん』して、あの子をもっと喜ばせてあげてください!』
どうやら、この二つに憧れてるみたいで!
あ、ちなみに壁どんは、壁に追いつめて壁をどん!とするきゅん行動で、床どんはそれを床ですることです!
では、二人で素敵なお熱い夜を!
香菜』
何度読み返しても、重いため息が出てくる家康。
「(『ぷれぜんと』のこと教えてくれたときに、揶揄ったやつの、嫌がらせか、何かか?)」
別に陽菜が憧れているなら、やってもいいけど……。
その憧れを抱いている肝心の陽菜が、続きの間から出てこない。
呼びにいこうと、立ち上がったとき、
スッ……と続きの間の襖が開き、陽菜がさっきまで着ていた着物を肩に羽織って、前が見えないようにと、袷のところをしっかり握って隠して、立っていた。