第5章 戦国時代のX'mas ~二人っきりのX'mas~ ※R18
陽菜からの口づけに、心臓が跳ねる。
いつもは恥ずかしがって、自分からすることはあまりないから、逆に俺が『ぷれぜんと』を貰った気分だ。
香菜に教えてもらった日に、城下でたまたま入った店で、翡翠を少し使った置き物と、その横に置かれた、変わった模様が描かれていた手鏡を見つけた。
桃を逆さまにしたような変わった模様。
この模様になんだか惹かれ、この形を翡翠で作ったら、陽菜に似合うと思い、髪飾りは以前にあげたから、耳飾りを作ってもらえないか、店主に頼んだら快く承諾してくれたのだ。
「この耳飾り、ハートの形で可愛いね♪」
「…はーと?」
「あ、この翡翠で出来た飾りの形、『ハート』っていうの。好きな人に対して使う形だよ」
耳飾りを触りながら、説明する陽菜。
「(桃を逆さまにした、変な模様かと思ったけど……、ちゃんと意味がある形だったのか。)」
好きな人に対して使う形。
なんとなく惹かれた形だったが、陽菜への贈り物 に、『はーと』の形を使って、自分の想いが陽菜に届いたような気がして、嬉しいけど恥ずかしい。
「……そういえば、香菜から俺たちに貰ってたね。『くりすますぷれぜんと』」
恥ずかしさで、俺からの『ぷれぜんと』から話を変えた。