第5章 戦国時代のX'mas ~二人っきりのX'mas~ ※R18
「ど…して、……家、康が………用、意………っ…」
涙が出そうになるのを、必死に堪えて家康に聞く。
皆とプレゼント交換するのに、用意しといて。とは言ったけど、まさか私に用意してたなんて……
「陽菜達から『くりすます』のことを聞いた翌日に、香菜が俺に教えてくれたんだ。陽菜達の時代では、恋仲の男女で交換するのが主流だって。」
「そっ、れで……用意…して、くれた……のっ…?」
「うん。陽菜の喜ぶ顔が見たかったから…。」
じわじわと混み上がっていた涙。家康の気持ちが嬉しくて、堪えきることが出来なくて、とうとう涙がこぼれ落ちた。
「……っく……うれ…っ、し……っひく…」
片手で木箱を持ち、もう片方で、涙を拭おうとしたら、家康の手がのびてきて、家康の指で涙を拭われる。
「付けてあげるから、じっとしてて」
私の手から木箱を取ると、その中にある耳飾りを一つ取って、家康の指が私の耳に触れ、耳飾りを付けて、反対側も同じように付けてくれた。
「似合ってるよ。陽菜……」
家康が優しく笑って褒めてくれ、また涙が溢れだした。
急いで、手でゴシゴシと擦って、家康の顔を見て、
「家康!ありがとう!!大事にするね!!」
涙目だけど、満面の笑顔でお礼を言って、家康の唇に自分から口づけを落とした。