第5章 戦国時代のX'mas ~二人っきりのX'mas~ ※R18
ドキッ……!
家康のその表情に、一際大きく胸が高鳴り、心臓の鼓動が早鐘のように動くと
「っ……い、えや…す……///」
「……ちょっと……今、見ないで……///」
家康に、羽織ごと抱きしめられた。
「(……家康の鼓動も……速い…)」
家康の胸に耳をあててなくても聞こえるくらい、家康の鼓動は速く、私の鼓動も家康に聞こえているんじゃないかと思うと、自然と鼓動が速くなる。
家康が今は見ないで。と言っていたから、家康が見せてもいいと思うまで、このままでいとこう。
「(それに、家康に引っ付いていられるから、幸せかも……)」
背中に腕をまわして、ギュッと家康のことを抱きしめ返した。
「……陽菜、裁縫は苦手だったんじゃないの?」
抱き合っていたら、家康から質問されて、腕は外さずに、顔を少しだけ上げる。家康の顔の赤みが少し落ち着いていた。
「うん。苦手だよ。なんで?」
「いや、かなり綺麗に縫い上げられてるから…。てっきり香菜が作ったものだと思って……」
「一月前から、お姉ちゃんに教えてもらいながら、仕事の合間や夕方ぐらいに縫っていたの。クリスマスに渡したかったから、お姉ちゃんがすごく厳しくて……」
お姉ちゃんにスパルタで教わっていたことを笑いながら話すと
「そうだったんだ。……ありがとう。大事にするよ。」
頬を撫でられ、流れるようにその手が唇に触れると、家康の顔が近づき、優しい口づけをプレゼントされた。