第5章 戦国時代のX'mas ~二人っきりのX'mas~ ※R18
「っ…う、うん!家康に……貰ってほしい……///」
家康の手に風呂敷包みを渡して、そっと手を離す。
ゆっくりと家康が、包みの結び目を解いていくのを、チラチラと見る。
「(ど、どうしよう……かなり緊張する……)」
心臓がバクバクと煩く脈打ち、膝の上に乗せた手がガクガク震えだして、震えを抑えるためにギュッと握る。
「………羽織…?」
家康が風呂敷から、私が縫った羽織を手に取り広げると、まじまじと羽織を見る。
「う、うん…!あ、その……作った……の…」
「え……陽菜が……?」
「………」
無言でコクンと頷き、そのまま、頭をさげる。
以前に御守りを作って渡したことがあるけど、それ以来、家康に形が残るプレゼントはしたことない。
お姉ちゃんからスパルタに教えられ、一生懸命作って、最後に細かくチェックもしてくれたから、大丈夫だとは思いたいけど………この沈黙が不安を煽る。
「……かなり…」
家康の声が聞こえ、頭を上げると……
「っ……家、康……」
眉間に皺をよせて、目を私から逸らし、口を手で覆い隠して、
「かなり………嬉しいんだけど……///」
真っ赤になった顔で、感想を言ってくれた。