第4章 戦国時代のX'mas ~パーティー編~
パーティーもお開きになり、陽菜と家康は、手を繋いで家康の御殿へと向かっていた。
「楽しかったね!クリスマスパーティー!!」
「いっぱい飲んでたけど、大丈夫?」
「大丈夫!この寒さがいい酔いざましになってるよ!」
罰ゲームで飲んだり、それとは別で信長と光秀からも飲まされて、結構な量を飲んだ陽菜。
安土城城門を出るまでは、足どりがフラフラしていたが、この寒さで、かなり酔いが覚めたのか、しっかりした足どりで歩いている。
「それより、お姉ちゃんから、私たち二人にプレゼントってなんだろうね?」
家康の手には、香菜から二人へのクリスマスプレゼント。
パーティーが終わり、姉妹がサンタ服から着物へと着替え、家康と陽菜が広間から出ようとしたとき、香菜に引き留められ
―――
「二人へのクリスマスプレゼントなの。家康さんの御殿に着いたら開けてみて。」
「え?いいの…?……ごめん。私、お姉ちゃんに用意してなくて……」
「気にしないで。大したものじゃないから。それじゃ、二人っきりのクリスマス、楽しんできてね♡」
―――
「…まぁ、御殿に着いたらわかるでしょ。」
「それもそうだね!……あ!雪降ってきた!」
「本当だ。積もる前に御殿に戻るよ。」
「せっかくのホワイトクリスマスなんだし、ゆっくり歩こうよ。」
「…ほわいと?……何かわかんないけど、積もったら陽菜のことだからはしゃぐでしょ。それで滑って転けて……、手当てするの俺なんだけど。」
「……はい…。積もる前に帰ります。」
家康の的確な言葉に何も言えず、シュンと落ちこむ陽菜。それを見て家康は、繋いでいた手を一度解き、陽菜の腰に手をまわして自身へ引き寄せて……
「……早く陽菜と二人っきりのくりすます…したいって……わかんない…?」
「えっ……」
「……行くよ……」
すぐに手を繋いで、歩きだす家康。手を繋いでいるから、陽菜も自然と歩きだす。さっきの家康の台詞に、ドキドキと胸が高鳴り……
「お城出たときから…もう、二人っきりのクリスマスだよ…///」
家康の手をギュッと握り返して、御殿へと二人は向かう。
二人っきりのクリスマスは……始まったばかり……