第4章 戦国時代のX'mas ~パーティー編~
「信長様!戯れはお止めください。」
「猿。邪魔をするな。」
「いえ、こればかりは駄目です!」
信長の揶揄いを、真に受ける秀吉に、見かねた陽菜が慌てて
「あ!じゃあ次、私がいきますね!えっと……あ!私はお姉ちゃんのです!ほら♪」
『香菜』と書かれた紙を口元の前に持っていき、全員に見せるように広げる。
「あ、私のはね~…」
香菜は、秀吉の腕からスルリと抜け、自分が座っていたところに置いていたものを取り
「じゃあーん!手づくりの巾着だよ!」
袋部分は濃い緑色に薄く麻の葉が織り込まれて、紐は赤色の、クリスマスカラーの巾着を陽菜に見せる。
「ごめんね。男性のが多いから、男性向けの巾着になっちゃって…。何か刺繍してから陽菜に渡すよ。」
「えっ?充分素敵だよ?」
「でも、これが落ちてたら、確実に男の人が落としたって思わない?」
「そっか……じゃあ、お願いします。」
「うん。可愛いのにして渡すね♪」
香菜からのプレゼントは、完成したら貰うことになった。
「じゃあ、次は俺がいくぜ。………お。家康からだな。」
政宗が『家康』と書いた紙を指で挟んで、皆に見せ、家康に手を差し出す。家康が袂から何かを出して、政宗の手のひらに乗せると
「胃薬です。今日、食べ過ぎたら飲んでください。」
「胃薬かよっ!まぁ、家康の時点で、薬関係だとは思っていたけど……」
「なら、特別に酒と替えましょうか。」
「やめろ。胃薬で充分だ。」
「では、次は俺が開けよう。……おや。政宗からだな。」
政宗が胃薬を懐になおしている間に、光秀がその横でカサリ…と紙を広げ、『政宗』と書いた紙を目の横に持ってくる。