第4章 戦国時代のX'mas ~パーティー編~
香菜たちが、飾り付けをしている頃
トントントントン…………
シャカシャカシャカシャカ………
グツグツグツグツ……
厨は大忙しだった。
「おい。これはどうすんだ?」
「えっと…それはこっちの鍋に入れて、そっちはお酢と砂糖と醤油に浸けといて。」
「ん。お前は何作ってるんだ?」
陽菜の手には、左手は大きい器を持ち、右手に菜箸4本ぐらいを持って、何かをかき混ぜている。
「あ、ケーキを作るために、メレンゲを作ってるんだけど、泡立て器がないから、なかなかメレンゲにならなくて……」
「めれんげ?」
「え……っと……卵白と砂糖を混ぜてると、ふわふわっとしたのが出来上がって……」
なんとか説明したいけど、実際見ないとどういうものかわからないから、陽菜は必死に箸でかき混ぜる。
「かき混ぜるだけでいいのか?なら、俺がやる。お前は他の料理を作れ。食材全部、言われたとおり切っといてやったから、あとは出来るだろ?」
「いいの!?ありがとう!」
政宗に、器と箸を渡して、お鍋の様子を見る。
鳥を丸々煮込んで、鳥の出汁が出ている大鍋に、人参と玉ねぎ、それと切った鳥のお肉を入れた鍋がグツグツと音をたてている。
「小麦粉、豆乳、牛乳入れて……塩コショウして…と…」
この時代には貴重な牛乳、胡椒、卵など……この日のために、信長に頼んで、いろいろ食材を用意してもらったのだ。
「(まさか、牛乳や卵が貴重なものだったなんて……。大事に使わないと…)」
おたまでかき混ぜながら、小皿にとって味見をする。
「(あ、美味しい♪)」
上手く出来たことが嬉しく、上機嫌になり、次の料理に手をかける。