第3章 戦国時代のX'mas ~準備編~
「家康。貴様何をしようとしている」
「ここで襲おうとすんなよ」
「「!?」」
信長と政宗の声に、陽菜と家康は、勢いよく顔を逸らせる。
「…何もしようとしていません。それに襲いません。」
しれっと答えた家康
「よく言うぜ。欲情してる目してたくせに。」
「それ、どんな目ですか。」
「俺らがいることも忘れ、陽菜の唇に貪りたくて堪らんといった目だ。」
「………っ///」
信長の言葉に、陽菜は恥ずかしくなり、家康の胸元に顔を埋める。
「そんなに、陽菜の唇を貪りたかったら、とっとと鳥を捕まえろ。」
「言われなくても捕まえますよ。」
「なら、俺と勝負だ。どっちが先に捕まえられるか。俺が勝ったら、俺が陽菜と口づけする。」
「えっ!?」
「はぁ!?何言っ……!」
「おっ!その勝負、俺も受けるぜ。」
「政宗も相手か。面白い。では尋常に……」
「「勝負!」」
信長と政宗は、陽菜と家康の言葉を無視して、馬を走らせる。
残された陽菜と家康。
ぽかんとする陽菜に、邪魔者が居なくなった今、家康は陽菜の顎を掴み、自分の方を向かせて、すぐに口を塞ぐ。
「ん!!……ぁ、いえや、すっ……ぁ……///」
チュッ
最後にリップ音をたてて、家康の唇が離れていく。
時間にして、ほんの数秒の口づけだったが、それだけで家康は満足する。
「絶対負けないから。」
そう言って、手綱を握り直し、家康は馬を走らせた。
信長と政宗から、少し遅れての参戦だが、愛の力か、野心家の意地か………
一番最初に鳥を捕まえたのは、家康だった。
用意するもの:クリスマスパーティーのメイン食材の鳥、確保。