第1章 元凶
「おぉー!チエ!こっちこっち!」
結果が貼り出された掲示板の前にいた私を、聞きなれた声が呼んだ
『ガープ中将』
彼の元に駆け寄り敬礼をする。
「あぁ、いい、いいそーゆうめんどいのは。それより合格だったそうじゃな。よぉくやったぁ!」
彼は私のことを本当の孫のように可愛がる。…本当の孫が海賊になってしまったからこうなるのもわかる気はするが…
『ありがとうございます。じゃあお言葉に甘えてお煎餅頂きます。』
「それはダメじゃぁああ!!」
ゴンッ!!
頭を思いっきり殴られる
正直このゲンコツには何度も食らっているが慣れれるもんじゃない
正真正銘この人は化け物じじいだ
(挨拶は良くて煎餅はダメなのかよ)
一部始終を見ていたギャラリーはそうツっこんだに違いない。
『で、用は?』
「あぁ、そうじゃった。以前から話している件じゃ。お鶴ちゃんがな、“うちの隊に来ないか”とよ」
『それは前に1度お断りした話じゃないですか。』
「あぁ、じゃかどうしても諦めきれんとな」
『はは、そこまで気に入って頂けて光栄です』
「ワシとしては、わしの船に乗って教育係でもやってもらいたいもんじゃが…」
髭をいじりながら私に視線を向ける
『それもお断りしてたはずですよ。』
私の返答に、はぁ〜と肩を落とす
正直どちらも有難い話だとは思っている。けれど、私が海軍に入ったのは強くなってエースを見返すためだ。
…海軍に入ったということはエースやこれから海に出るルフィの敵になるということ、
彼らを捕まえる覚悟で海兵になった。
…そう、私は捕まえたいのだ。エースを
その為に単独行動出来るくらい偉くなっていかないと。
それまでは地道に試験をクリアして行くしかない。
お鶴さんやガープの船に乗れば試験など言ってられない。常に海賊を追いかけ、私はそのモブ海兵の一員にならねばならないからだ
無論、そちらの方が経験値は高く詰めるが、自由度は低い
一年も満たない修行で学んだことは、継続すること
それは海軍支部でも出来ることだ
だから、任務をこなしながら地道に経験値を積み、確実な基礎と実力で上り詰めた方がいい
そう思ったから、そうしているだけだ。