第8章 Pandora
すり鉢状の地形に道幅を広げるようにして出来た集落。建物は古く、木造の家にも関わらず錆が上がっている
不思議に思ってよく観察すると、それは液体が飛び散ったような形をしていた。
家の入口には不思議な模様が彫られているようだった。この家は黒塗りの三角印と、長方形が2つ縦に並んだもの、それからそれが重ねられたような模様の三つが刻んである。
他の家は、また別の模様、そして個数も家屋によって違うようだ。
集落の周りは木々が少なく、すり鉢状の地形の中央に位置する大木が見え隠れしている。
家屋の奥には雑木林のように木々が深々と生えていて、真ん中に雑草だからけの砂利道があった。
奥へと足を踏み込んだ時、家屋の影や気の傍らに白いものが視界に映る
『!』
木にもたれ掛かるようにして、座る白骨体がそこにあった
辺りを見渡せば雑草でわからなかったが、うつ伏せに倒れる白骨遺体や、人の骨のようなものが転がっている
これはノルウェの人達なのだろうか。
母が、島への侵入者に襲われたという話からその当時の遺体なのだろうか
動物が居ない分、こんなにも綺麗な白骨遺体はどこか不自然にも感じるけれど、恐る恐るそれらを通り抜けて奥の雑木林に入った
少し歩くと、雑木林ではなく人の手で整備されたような等間隔で生える木々が見えてきた。
『何か掛かってる…』
等間隔の木には、幹の部分に木札が括り付けられていた。近づいてみると、木札には丸や三角といった模様が彫られていた
それぞれの木札に1つずつ
そういえば、先の程の家屋にも似たような模様が彫ってあった。これは何を指名しているものなのか
そうして1つずつ木札を見ていた時、あるひとつの木が気になって近づいた。その木札には花のような模様が彫られていた
ふと、その木の幹に触れた時
ざあっとそれまでぴたりと止んでいた風が吹き荒れ、突風が顔面目掛けて吹き抜けた
『っ、』
思わず目を瞑って、開いた時
ぼんやりとした光の中に私はいた。