第3章 risk or safe
怪我は無事に治り、腕は全快した
のはいいのだが…
私はモモンガ中将に呼び出されていた
『用、とは何でしょうか』
「先日の任務ご苦労だった。君の優秀ぶりは聞いている。」
『はっ、光栄です』
先日の任務は私の功績として収められ、また一段中将への道のりが近づいた
「そこでだ。討伐部隊に君を入れたい」
『討伐部隊…?』
捕まえるんじゃなくて…討伐…?
しかも私をそこに入れたいと?
「聞いてなかったか。今、Dr.ヘイブンとブラッディ海賊団を捕らえる特別部隊が構成されている」
『それに私も加われということですか』
「その通りだ。先日の件の報告書からも君は使える人材だと判断した。だが、この討伐隊には少佐以上の実力が必要」
少佐…今の階級よりも3つも上だ
そこに行くまであと何年かはかかるのではないか
「君の今の階級では部隊にも馴染めんだろう。そこで先日の活躍も含め君を少佐に昇格させることにした」
まさか、少佐まで飛び級するなんて
思ってもみなかった…
けれど、これはチャンス
将校まで来れば、階級を上げるのに必要なことはただ一つ。
それは実力のみだ
「これが討伐隊の資料だ。生死は問わない」
『承知しました』
相手の命を取ること。それは私も命をかけるということ
海軍に入ると決めた時から覚悟はできている。
死ぬつもりは毛頭ないが。
「これから特別部隊の会議がある。このままお前も同行しろ」
『はっ』
会議室へ向かう間に資料に目を通す
有名な人達ばかり……
あの白猟のスモーカーやその部下たしぎさんまでいる
当然ながら私が最年少…これは上からの視線が痛そうだな
「皆、遅れてすまない」
モモンガ中将が先に部屋に入り、真ん中の席に座る
誰も立っている人はおらず、1席だけ空いたところが自分の席だと判断し、座った
こちらを直接見た者は少なかったが、確かな視線と殺気を感じる。
私はここで証明しなければならない。
自分の利用価値を