第2章 名前
スイッチの音が聞こえた瞬間、私は思いっきり真上に飛ぶ
「准尉!」
爆風と共に舞い上がった私は、上の崖から投げられたロープ捕まった
そのまま引き上げられて、無事に崖の上の連絡班と合流できた
先に行った二人もちゃんといる。
「隊長!!」
後からサポートと残りの陽動班も合流した
『全員無事か』
「はい。無事です!それよりも止血を!」
『頼む』
爆発による土煙がまだ上がっているうちは多分、大丈夫だろう。
爆発と言っても仕掛けた爆弾の威力はさほど無い。
だから今がチャンス。
止血だけしてもらい、立ち上がるを
「全員、直ちに船へ迎え!奴らを押さえるぞ!」
C班隊長の掛け声で全員船の方向へ走り出す
上手く行けば、この掛け声を聞いたジャックは自分の船に戻るはずだ
私達は先回りしてその様子を見届ける。
抜け道は確保済み。
あとは上手くいくかどうか…運次第と言ったところか
(あぁ、腕の感覚がなくなってきた…麻痺か)
この任務が終わればいくらでも解毒できる
今はこの任務が成功することだけを考えなくては……
船が良く見える地点についた
ここら一帯は木々が多くて簡単に見つけられはしない。
「ジャックが来ました!」
『……成功、だな』
皆が安堵の息を漏らす。
ジャックは自分の船に乗り込み、不機嫌そうに出発した
『本部に連絡を』
「はっ、」
『作戦は成功だ』
本部に戻ってからは、即医務室に運ばれ、解毒
3日間何もするなと言われた
海兵にとって何もするなと言われることほど暇なことはない。
本部でも支部でも常に仕事だし、こんなんだから特に趣味とかがある訳じゃない。
たまに見舞いに顔を出してくれるのは嬉しいが
「おっ見舞いでぇーす!」
…コイツは要らない
『帰れ、ナイル』
「酷いっ!!俺お見舞いに来ただけなのにっ」
ちゃっかり椅子に腰掛けて果物を手に取る
って、お前が食うんかい
「えっ、食べたかった?あ、でも右手使えないんだよね?あーんしてあg」
『斬るぞ』
「ひえ怖い」
なんだかんだでこんなノリが続くのかと思っていた
この時までは