第5章 終局
※R15
くすぐったい。首筋や背中に口づけられながら、胸を包まれ、くすぐられ、やんわりと刺激される。
少し振り返り、恨みをこめた目で睨むと、クラウスさんは『うっ』と言葉につまったが、
「その、今の君を一人で入浴させるわけにはいかないし、だが無防備に私に身をゆだねてくれる君を見ていると君の愛らしさに私も身体が急いてしまい、もちろんベッドでとは思う物の、今ここで君を愛したいという、己の中の熱を抑える理由も見当たらず――」
饒舌(じょうぜつ)ですなあ!!
あと無防備違うし! 体力落ちてるだけだしっ!!
そして敵の言葉の意味するところは『その気になれば自制出来るが、今は全力でその気がない』!!
よく考えると、私がいない間、クラウスさんもずーっと御無沙汰だったか。
しかし敵の腕から逃げるに逃げ出せずにいると、野郎の息も荒くなる。
「カイナ……どうか君の許可を……」
切なそうに言われて『仕方ありませんねえ、うふふ♡』と返すと思ったら大間違いだからな!!
つか、未だに『無理やり握らせてる』し!!
「……カイナ」
まずい。うなじに顔をうずめてきた。甘噛み始まってる。
あ。手が胸から滑り降りて、こちらの下半身に伸びてる。
「ちょっとっ! 待っ……!!」
止めようとしたけど、遅かった。
「…………」
バレた。下半身のスリットをつうっと撫でられただけで。
うん、私のあそこはもう、じっとり濡れているのであった。
「……ひっ!……」
指先をそっと潜り込まされただけでダメだった。
愛液がじわっとあふれた。
「クラウスさん……手を、はな……っん……!」
首を振るけど、余計に深く弄られるだけだった。
気持ちいい場所を集中的に擦られ、背筋がビクッとなる。
反射的にクラウスさんのブツから手を離し逃げようとしたけど、その前に筋肉質な腕に身体を絡め取られる。
「そうだったな、すまない。私たちの間に言葉などいらなかった」
嬉しそうな声。
「いや何、同意取れないからって都合良く解釈してんですか!……んっ……や、やだ、そこ、強く、いじめちゃ、ダメ……」
勢い良くツッコミを入れたかったのに、後半は甘えたような妙な声になってしまった。
しかも止めろと言うほど愛撫が強くなるだけであった……。