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12色のアイ

第11章 完璧彼氏は難あり


「どうですかね?似合ってますか?」
あれから私は三月さんの指導のもと、ここなちゃんに近づくために努力を重ねた。
やっとその成果を発揮できる時が来たため、私はここなちゃんの衣装に身を包んでいた。
「おう!似合ってるぜ!」
「ふふっ。あとはこれでナギさんが帰ってくるのを待つだけ……」
私がそう言った時、ガチャとドアの開く音がした。
「ただいまでーす!」
「え!はやっ!」
「百合?いるのですか……ファァァァァ!!!!」
リビングにナギさんが入ると、私の格好を見てすぐに叫んだ。
「百合ー!!アナタもここなの良さを分かってくれたのですね!!」
「え、あ、あの」
「こうしてはいられません。さぁ、マイプリンセス。お手を」
私はナギさんの勢いに圧倒されつつも手を取った。
「2人で朝までここなを語りましょう!!」
「え、うわ、ちょ!」
私は強く引っ張られながらナギさんの部屋に向かった。

部屋に入るなりナギさんは私を優しく抱きしめた。
「ナ、ナギさ……」
「アナタは本当にキュートですね。ワタシがここなの話ばかりするからヤキモチを焼いたのでしょう?」
「なっ……!」
「バレバレですよ」
チラとナギさんの顔を見ると優しい目で微笑んでいた。
胸の鼓動がどんどん速くなっていく。
私はサッと目をそらした。
「どうして逸らすのですか?ちゃんとワタシの目を見てください」
ナギさんの綺麗な手によって顔を上げられる。
「ワタシはここなが大好きです」
それを聞いてズキと胸が痛む。
涙でナギさんの顔が歪んでよく見えない。
「ですが……アナタのことは愛しています。ヤキモチなんて焼く必要はありませんよ」
さっきまでの悲しみの涙はすぐに嬉しさの涙に変わって零れ落ちた。
一言だけで嬉しくなるなんて我ながら単純だなと思う。
「Oh……泣かないで。アナタに涙は似合いません」
ナギさんはそう言って涙を舌で拭ってくれた。
「ナギさん……キスしてください……」
「キュートなおねだりですね」
私は少し背伸びをしてナギさんの唇を迎えた。
久しぶりのキスは優しくて気持ちいい。
私は無意識にナギさんの首を腕を回していた。
「ん……おねだりはまだありますか?」
私はナギさんを見つめながら口を開いた。
「………たくさん触れて愛してください………」
「承知しました。マイプリンセス……」
私達はまたキスを交わした。
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