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12色のアイ

第11章 完璧彼氏は難あり


私はまた言葉を紡いだ。
「私って悲しいことに外観が幼いでしょう?なのでいけそうな気がするんですよ」
「ちょ、ゆ、百合」
「確信はあります。だって数日前にナギさんから『百合はここなのコスプレをしたらきっと似合います!』って言われたばかりなんですよ」
「おい、百合」
「これでもわたし物覚えの早い方がなので自信しかない……」
「百合!!」
「は、はい!?」
私はやっと三月さんに呼ばれていたことに気づいた。
「おまえ、一旦落ち着け」
「は、い……」
「よかったらお茶をどうぞ」
「あ、ありがとうございます……」
コクリと壮五さんが淹れてくれたお茶を飲む。
あったかくて落ち着くなぁ。
「それにしても今回は六弥さんに原因がありますね」
「でしょ……?一織さんならそう言ってくれると思ってました………!」
「ですが、だからといってアニメキャラになりきろうとするのはいささか安直かと」
「は?」
おっと危ない。思わず湯呑みを握りつぶしそうになったよ☆
「やっぱり私には三月さんしかいません!」
「え!?そ、そう言われてもなぁ……。どうしたらいいと思う?壮五」
「ぼ、僕に話を振るんですか!?」
壮五さんは少し考えるそぶりを見せてから口を開いた。
「そ、そうですねぇ……ナギくんの持っているグッズを見つからないように捨てて、悲しみにくれているナギくんを百合さんが慰める、というのはどうでしょう?そうすれば百合さんに依存していくのでは……」
「うわ、そーちゃんエグい」
環さんのその言葉にみんな首を縦に振った。
壮五さんは一人困惑している。
「みーつーきーさーん」
「あー、もーわかったよ!付き合ってやるよ」
「ほんと!?やった!ありがとうございます!」
「大丈夫ですか?兄さん」
「あー……まぁ、どうにかなるだろ」
「あ、お仕事の方は大丈夫ですよっ。三月さん明日と明後日の午前中はオフですから」
「え……?」
「なんでもドラマの監督が体調を崩したそうで撮影が延期になるそうです」
「なんで知って……」
「紡ちゃんから聞きました!それに、三月さんの予定を知らないと教えてなんて言えないじゃないですか」
「つまり、最初から兄さん狙いだったということですか?」
「はい!よろしくお願いしますね、三月さんっ!」
「お、おう……」
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