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12色のアイ

第8章 縄とナイフと血のキスを


痛い、痛い。
今まで開いたことの無い所を無理矢理こじ開けられて、裂くような痛みが身体を走った。
百さんは気持ち良さそうにしているけれど、私は全く気持ちよく無い。
痛みと異物感でいっぱいいっぱいだ。
「はぁ、はっ……百合、どう?初めての感想は」
「う、あ、むりっ……ぬ、いてぇ……!」
「何で?気持ち良いって言えよ…!」
「や、ま、いやあぁぁ!」
百さんの動きがさらに激しくなる。
気持ち良いなんて、とてもじゃ無いけど言えない。
好きな人との交わりのはずなのに心が満たされない。
「は、く……あー、もう分かったよ。口、開けててよ」
「え……ちょ、や、んぐぅ!」
ため息混じりの声と共に動きが止まると、口に何か液体が入った瓶が押し当てられた。
「ん、んぐ……んむ、はっ……」
飲み込み切れなかった液体が頬を伝ってシーツに落ちる。
「うん。ちゃんと全部飲んだね」
「百さ………何?」
「ふふ。さっきも少し飲んだでしょ?まぁ、今のはちょーっと多かったかもだけど……」
私はもう恐怖しか無かった。
だって、さっき飲んだ液体は……
「うそ、じゃ、こ、れ…びやく……」
「せーかい。しかも即効性♪」
「や、あ、あ、ああぁぁ!」
ビクビクと身体が震える。
百さんは全く動いていないのに一人で絶頂してしまった。
「ははっ。かーわいっ。もっと、もっとたくさんイっていいよ」
グチャ、グチャといういやらしい水音が響く。
さっきまでの痛みは媚薬の効果で消え去ってしまった
今は、ただ「気持ち良い」という感情しか残っていない。
気づくと、私はまた達していたらしい。
3回、4回、5回、と絶頂を重ねていく。
自分の身体が自分でコントロールできないことがこんなにも辛いことだとは思わなかった。
「はぁ、はぁ、くっ……すごい締めつけ……最高に気持ち良いよ……!」
「あ、ああっ、も、やめてぇ…!ずっと、イって、るからぁ……!」
どうやら私の声は百さんに届いていないらしい。
百さんの激しさが弱まることは無かった。
「く、はぁ……好きだ、好きだ、オレだけの百合……」
百さんの綺麗な指が私の身体をなぞる。
「オレが付けた傷……最高…」
幸せそうに私の身体を舐めるように見て、また噛み付く。
「あ、あ、また、くるぅ……!」
「いいよ……イって」
私は何回めかの絶頂を迎えると意識を手放した。
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