
第29章 ばかになった愛はこれから

千side
「ただいま」
そう言った直後に聞こえるドタドタとした足音。
「ユキおっそい!」
「これでも急いだんだけどな」
「あともう少し遅かったら我慢できなかったよー!」
「とか言って、我慢なんかできてないでしょ」
「素股だけだもん」
「それは我慢してるね」
「でしょー?もー早くお風呂入ってー」
「分かった分かった」
お風呂場に向かう最中に、チラリと見た寝室。
オレンジ色の微かな灯りに照らされて、彼女の肌が艶かしく光っていた。
ごくり。
それを見ただけで、どうしようもなく触れたくなってしまって、いつもより少し急いでシャワーを浴びた。
「百合、起きて。僕だよ、ただいま」
強めに揺すってもなかなか起きない。
「モモ……素股だけって嘘でしょ」
「……中に欲しい欲しいって泣くから、手と舌で数回イかせただけ。挿れてないもん」
「ギリギリセーフかな」
「やったぁ!」
そうか、中に欲しがって……。
思わず笑みがこぼれる。
長かったな、ここまで。でも、手塩にかけて教え込ませた甲斐があった。
布団をはいで、一枚だけ着ていたシャツを脱がせる。
「これ、僕のじゃん」
「モモちゃんズセレクトでーす!」
「最高」
脱がせるのはもったいなかったから、ボタンだけ外した。
薄くなってきた痕を上書きして、そのまま唇を下へと下ろしていく。
「ユキ下する?」
「うん」
「じゃあオレ上ね」
モモが耳を舐めて、胸を揉む。
僕がクリトリスを舐めて、中を指でほぐす。
寝ているのに、微かに甘い声が聞こえてくる。
「ん……ほら、早く起きないと、挿れちゃうよ……?」
必要最低限だけほぐして、すりすりと僕のを擦り付ける。
そのまま少し腰を動かす。
「はは、ほら、入っちゃった」
ぐぷり、ぐぷりと僕のが飲み込まれていく。
彼女は顔を赤くして、さっきよりも喘いでいる。
「これが欲しかったんでしょ……?ねぇ、起きてよ……起きないなら、どうなっても知らないよ」
一度腰を引いて抜いてから、一気に突き入れる。
そのままポルチオを変形しそうなぐらい突き上げた。
「あー、百合ちゃんかわいそー」
「ははっ、思っても、ないくせに……っ」
起きている時と同じくらいの声が出たかと思うと、彼女の瞳に僕が映った。
それが嬉しくて、ぐにぐにと亀頭とポルチオで粘着質なキスをしてあげると、彼女は声も出せずに意識を飛ばしてしまった。
