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12色のアイ

第26章 今日から夫婦になります


「ご馳走様でした」
「お粗末様でした」
「お皿洗いは私がするよ」
「じゃあお言葉に甘えて可愛い彼女でも眺めておこう」
「そ、そう」
可愛い……可愛いって言ってくれた!
嬉しい、嬉しい。
スキップしたい気持ちを抑えてお皿を運ぶ。
カチャカチャと食器を洗いながら千の視線を感じる。
これが他の男の視線だったら不快なんだろうな。
愛おしい恋人の視線はただひたすらに心地いい。
千がご飯を作って、二人で食べて、私が食器を洗って……これってなんだか、
「「夫婦みたい(だ)」」
驚いて後ろを見る。
千も目を開いて驚いていた。
「ふ、あははっ」
「ふふ、ハモっちゃったね」
「同じこと考えてるなんてびっくり。ね、旦那様?」
「そうだね。奥様?」
「奥様ってなんかヤダ。他人行儀みたいじゃない」
「じゃあ、お嫁さん?妻?家内?」
「千はなんで呼びたい?」
「そうだな……」
スッと千がすぐ後ろに立つ。
背後から顎をすくわれて、耳元に吐息がかかる。
「僕のかわいい奥さん、かな」
「ひうっ…」
「ふふ、かわいい声」
「も、もう!洗い物!できないから!ちょっと離れて!」
さっさと洗い物を終わらせて千とイチャイチャしたい。
なのに、千は私を抱きしめたまま離れてくれない。
「ゆ、千…?」
「ねぇ、誕生日プレゼント何が欲しい?」
え?今ここでそれ?
「え、えーっと……千の苗字、とか……って、んむっ!?」
無理矢理後ろを向かされたと思うと、唇が重なった。
隙間が無いくらいぴったりとくっついた長いキス。
千の薄いけど柔らかい唇が気持ちいい。
「ん、ふ……ど、したの?」
「いや、結構前から我慢してたと言うか、君が洗い物始めた辺りから限界がきてて、さっきの誕生日プレゼントで決壊した」
千の頬は少し赤らんで、瞳にも熱が宿っている。
ぐらりと思考が揺れる。
「で、でも、洗い物……」
「後で僕がする」
「あ、ぅ……」
「いや?」
「ぃや、じゃ、ない……」
「嬉しい」
また唇が重なる。
服の上から胸を揉まれて、布の感触で乳首が立っていくのが分かった。
するりとワンピースの首元から手が侵入してくる。
「ぁ、んっ、ふぁ……」
「乳首もう立ってるね」
「やぁっ……」
「嫌じゃないでしょ?ほら、好き」
くるくると乳輪をなぞったかと思うと、キュッと乳首を摘まれてはしたない声が漏れる。
背後から意地悪な笑い声が聞こえた。
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