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12色のアイ

第24章 最愛をアナタに


ナギside

「ファーーーー!!!!ビューティフル!!!!」
「ぇ、あの、ちょ」
「ソーキュート!!!!」
「だ、だから、ナギ」
「キュート!!!!!!」
「だから恥ずかしいって言ってるでしょ!!!!」
彼女が顔を真っ赤にして叫ぶ。
「どうかしましたか?」
「え、見えてないの??この視線」
視線……。
ぐるりと辺りを見回す。
流石ノースメイア内で女性に人気高い高級ブティック。
どの服もいいデザインです。
あ!!!!この服!!
「百合!!この服はどうです?」
「あー、はい、試着します」
「イエス!待っていますね」
彼女が試着室に入っている間も、彼女のための服を見繕う。
どんな服が似合うか、どんなアクセサリーを合わせるか、靴は何がいいか。
考えるだけでワクワクしてきます。
「ナギ。着たよ」
彼女の方をドキドキしながら見ると、言葉を失った。
柔らかいイエローのロングワンピース。
ウエストにリボンを結んで彼女のスタイルの良さが強調されている。
普段から大人しい彼女だからこそ、こういう上品で落ち着いた服が似合う。
袖や裾のフリルも女性らしくて素晴らしい。
「な、ナギ…?」
ああ、ダメです。
そんな顔で覗き込まないで。可愛すぎます。
「………ぃです」
「え?なんて…」
「買いです」
「えっ、でも、これ高…」
『すみません。このワンピース、買います。このまま着るので袋だけください。あ、あとこのネックレスとイヤリングと靴も。ええ、カードで』
「な、ナギさ……ノースメイア語、ちょっとしか分かんない……」
ワタシの周りでおろおろする彼女可愛すぎるなと思いながら会計を済まし、彼女にアクセサリーと靴を渡す。
「美しいアナタの隣に並ぶ喜びをワタシに与えてはくださいませんか…マイ、プリンセス」
また顔を真っ赤にした彼女が頷く。
「……買ってくれてありがとう」
「ノープログレム!妻を綺麗にするのは夫の仕事なので」
手を繋いでブティックから出る。
まだほんのり赤い彼女に声を少し潜めて話しかける。
「…男が女性に服を贈る意味、知っていますか?」
「う、ううん…」
ワタシ好みの服やアクセサリーに包まれた彼女の全身を舐めるように見る。
「『アナタを抱きたい』という意味ですよ」
「ひぇ…!?」
「今日のデートが楽しみですね!」
ワタシからの甘い言葉に慣れない彼女を見ながらほくそ笑んだ。
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