第4章 ORIGINAL COLOR④
「ほんとだよ、、、。」
剛の甘い息が髪の毛にかかるのを感じ、わたしのドキドキはマックスを超えていた。
今日が雨でよかった。心臓の音が聞こえてしまうかもしれなかった。
「じゃあこっち見て言って。」
剛はそう優しく甘い声で囁く。
「え、、、いや、、、。」
意地悪な言葉を優しく言う彼はとてもセクシーだと思ってしまった。
「いややない。俺の目見て言ってや。」
真っ赤になる顔を少しだけあげると、剛は真剣にこちらを見ていた。
その視線に捉えられて、
わたしはこれ以上なにも言えなかった。
こんな風に見つめられて嘘をつける訳がない。
堂本くんは意地悪だ。
「あの男のこと、、、好きなん?」
わたしは反射的に首を大きく振ってしまった。
「付き合ってる訳じゃないんやな。」
「うん、、、。」
「じゃあ、俺とあいつどっちが好き?」
どこまでも彼はわたしを追い詰めるようだ。
切なげにそういう彼にわたしはもう逃げられない。
どうなってもいいと思ってしまった。
「、、、堂本くん。」
すると剛の口角が少しだけ上がる。
「ほんまか?」
「うん。」
剛の頬も少しだけ赤らんだ気がした。
「俺と付き合ってや。」
わたしの心臓が大きく跳ねたのが分かる。
嘘。
嘘。
嘘。
夢か現実か分からなくなってどんどん混乱していく。
これは夢だよね?
「え、、、」
「嫌か?」
「嫌じゃないけど、、、」
「けど、、、?」
「信じられないよ。」
本当に本当に信じられなかった。
今まで背中を追っかけてただけだったのに、そんな剛くんとわたしが付き合うだなんて。
こんなことが現実に起こるのだろうか。
「ずっと好きやった。あいつに取らてまうと思ってめっちゃ焦ったんやで。ひろかさんは俺のことどう思ってるの?好き?」
好き。
大好き。
あの日からずっとずっと。
あなたのことだけを見てた。
でもこの想いをすべて伝えたかったのに、
わたしは振り絞って掠れるような声で一言言った。
「す、、き、、。」
剛は満遍の笑みを浮かべる。
「俺もやで。大好き。」
そう言った瞬間剛はわたしの顔にゆっくり近づけて、唇を重ねた。
夢の中にいるみたいだった。