第5章 土方十四郎(R指定無し)
「ん?どうしたの?」
「あなた…無理してない?」
「…え?」
「確かに、私達はサナのおかげで生活できた。でも、無理しているなら帰って来なさい。お父さんの病気も良くなったし、これ以上自分を犠牲にする必要は無いのよ。」
サナは考える。確かに、最初は両親に楽させてあげる事だけの為に江戸に来た。しかし、今は違う。
サナはとびっきりの笑顔を見せて言った。
「ありがとう。でもね、私、今とっても幸せだよ。確かに仕事は忙しいし、大変かもしれない。だけど、万事屋の皆んなや真選組の方々は優しいし、大好きな土方さんにも出会えた。だから、江戸での生活をもっと大事にしていきたいんだ!」
サナの嘘偽り無い笑顔を見て、母親は安心したように
「そう…。」
と言って微笑んだ。
屯所に帰ると、近藤さんが、離れの方に私とお母さんが寝る部屋を用意してくれていた。
「何から何まで…本当にありがとうございます。」
「ありがとうございます、近藤さん。」
「いえいえ、良いんですよ!というか、もっと楽にして下さって結構です!サナちゃんも、明日はゆっくり寝て良いんだからね!」