第5章 土方十四郎(R指定無し)
話しをしているうちに、近藤さんが思いついたように言った。
「そうだ。サナちゃん、今日は母上も遠方からいらっしゃったんだし、3日間ぐらい休んで、二人で出掛けたらどうだ?」
「そいつぁ名案だな。」
「えっでも…女中の仕事は…?」
「大丈夫!いつも頑張ってくれてるからな!」
「そうですか…?」
「サナは頑張り過ぎだ。少しぐらい休め。」
「そう…?じゃあお言葉に甘えて…!」
私とお母さんは約1年ぶりに一緒に出掛けられる事になった。
嬉しそうに笑うサナを見て、土方は柔らかに微笑んだ。
「出掛けられる事になったは良いものの…正直言って、江戸は良く知らないんだよね…。そうだ、万事屋さんの所に行こう!」
「万事屋さん?」
「そう!いわゆる何でも屋さん!私も前にお世話になった事があって、それ以来仲良くしてもらってるの!」
ー10分後ー
ピーンポーン、ピーンポーン
「ちょっと銀さん!お客さん来ましたよ!」
「あー?どうせお登勢のばばあだろ?テキトーに追い払っとけ。」
「そうネ。ばばあに構ってる暇があったら、とっとと酢昆布買って来るヨロシ。」