第24章 いざ!出陣!【24】
『うんしょっうんしょっ…何気に重い…』
私は今、明石さんを担いで広間へ向かっている
なぜそうなったかと言うと、出陣報告が終わって夕飯まで皆で広間で休もうとなったのだが、明石さんが「自分、動きたくないです」とワガママ言い出しこのまま明石さん一人茶室に残して行くのもかわいそうと思い、『おんぶして行ってあげるから』と言ってしまったからである
腰を曲げて背中に明石さんを乗せるようにして、ずり落ちないように首に巻かれた明石さんの腕をしっかり掴み、長い足は持ち上げてあげられるほど私には余裕がなく投げ出されズルズルと引きずる形になっていた
蛍丸「主、国行なら俺が運んだ方が早いのに」
『そうだけどっ、これは私がやりたいからっ、大丈夫っ』
足や腹に力を入れて歩いているため蛍君との会話にも力が入ってしまう
『明石さんっ、見た目の割にっ、重っ、そのっ、細い体にっ、何がっはいってるのっ!?』
明石「自分脳ミソ沢山入ってるんで、すんまへん」
すんまへんと言いながらその声は楽しそうだ
又、蛍君と愛染君は私の両脇で苦笑いしながらも亀のような速度で歩く私に合わせて一緒に広間へ行った
『到着ぅーー!』
広間にたどり着き入口付近で明石さんを担いだまま膝から崩れ落ちるとそのまま前のめりに倒れそうになり手で踏ん張った
『おっと!危ない、明石さん広間についたよ?下りて?』
明石「イヤです」
『何で!?下りないなら落としてやるもん!』
私は体を斜めに傾け明石さんを背中から転がり落とした
すると明石さんは転がり落ちて仰向けになって止まった
明石「主はん酷いですわ、自分こんな入口に捨てられて誰か来たら踏まれますやん」
『捨ててないから!それと、ちょっと待っててね直ぐ戻るから』
そうして私は座布団を一枚手にとり明石さんの元へ戻るとその座布団を彼のお腹の上にポスッと置いた
明石「主はん、これ自分の腹に置いて踏まれても痛くないようにしたつもりですか?」
明石さんはお腹に置かれた座布団をポンポンしながらそんな事を言う
『違うわ!別の目的で持ってきたの!』
そう言い返して明石さんの脇に座りその座布団に覆い被さるようにして私は顔を埋めた
明石さんがこんなに優しくポンポンするのは蛍君と愛染君と枕と布団くらいしかない!私もポンポンされたい!