第24章 いざ!出陣!【24】
『えっ!?あの人が豊前江君!?』
謙信「そうだぞ!」
一方毛利君は電気をつけると、そのまま豊前江君の元に駆け寄った
毛利「豊前江さん!大丈夫ですか!」
豊前江「ぅ……はぁ……はぁ…」
豊前江君の意識は朦朧としていてまともに返事も返せないでいた
『てっ、手入れしなきゃ!』
私は豊前江君に向かって走り出した
が、
『ぅわあ!』
カシャン!
折れた刀の上を走るのはなかなか難しいもので、滑って転んだのである
『痛い!けど、豊前江君の今の状態は、もっと痛いはず!頑張れ私!』
転んだ拍子に腕や膝を切ってしまったけど、そんな事はどうでも良いとにかく豊前江君を助けないと、と思う気持ちが更に自分を焦らせて上手く走れない、それでも彼に向かって走ると
『豊前江君!って、ぅわあ!』
毛利・謙信「あーー!」
豊前江「ぐあっ!」
また、足を滑らせ豊前江君の上に転んだ
そのまま豊前江君にしがみつき、治れ!と念じた
豊前江「くっ…あ……はぁ~………」
毛利・謙信「……………💧」
『治れ!治れ!豊前江君、治れ!』
豊前江君にしがみつき、彼の胸に顔を埋め、未だに治れ!と言い続けている私を豊前江君は少し頭を上げて見ていた
そして左手を私の背に回し優しく抱き締め右手は私の頭を撫でた
『へっ!?あっ!』
豊前江「ありがとな、もう、すっかり治ったよ」
彼の胸に埋めていた顔をあげると豊前江君も私を見ていた
毛利君は、いらない気を利かせ私達から離れ謙信君の所へ行った
『あっ』
豊前江「あんた重症の俺の上に倒れてくるなんて折られて死ぬかと思ったよ」
『ごっ!ごめんなさい!ごめんなさい!』
私は慌てて起き上がり豊前江君から離れようとすると、手を引かれ、また彼の胸に戻ってしまった
『ちょっ!豊前江君!?』
毛利「ゎあ!」
毛利君は謙信君の後ろに回ると謙信君の目をふさいだ
謙信「毛利!何するんだよ!見えないぞ!」
毛利「小さい子は見てはいけません!主様と豊前江さんは今、大人の時間を過ごしているのですから!」
謙信「何だよ大人の時間って!」
『毛利君!?』