第24章 いざ!出陣!【24】
『っ!?なにこれ…』
部屋中に散乱していたのは折れた刀達
毛利君が私に近付いてくる時に聞こえたカチャカチャという音はこれを踏んでいたからだった
謙信「これは、折れてしまった刀だぞ」
『ヒドイ…元に戻せないかな?』
毛利「残念ですが一度折れてしまうと二度と…」
『そっか…』
私は足元に落ちていた折れた刀の破片を拾うと、治れ!と念じてみたが、何の反応も無かった
毛利・謙信「っ!?」
謙信「誰か来る!」
『えっ!?誰かって誰!?』
毛利「分かりませんが、謙信は主様とここにいて下さい!」
謙信「うん!分かった!」
『えっ!?毛利君!?どこ行くの!?』
毛利「どこにも行きません!明かりを消して様子見ましょう!」
毛利君はそう言うとすぐに部屋の明かりを消し部屋の扉を閉め私達の所へ戻って来た
三人で息を潜め様子を伺っていると、廊下から二人男の人の声が聞こえ来た
男「お前とは、ここでおさらばだな!」
?「くそっ!離せ!」
男「うるせー!おとなしくしろ!」
?「うっ!」
一人の男がもう一人の男を殴ったようだ
それに驚いた私は
『っ!?痛っ!』
毛利「どうしたんですか?」
謙信「大丈夫か?」
『ごめん、大丈夫だよ』
私はさっき拾った刀の破片を思わず強く握りしめてしまい、その刃で指を切ってしまった
毛利「さっき拾った刀の破片で手を切ってしまったんですね」
『毛利君見えるんだね?まぁ、電気消してここまで来たしね』
毛利「はい!」
謙信「僕も見えるぞ!暗い所は危ないから…その…近くにいてやるぞ…」
すると謙信君はケガをしていない方の私の手を握ってくれた
『謙信君ありがとう』
突然この部屋の扉が開くと何かがドサリと投げ込まれた
?「ぐあっ!」
私・謙信・毛利「っ!?」
男「お前はここで余生を楽しむんだな!」
バタンと扉が閉まると男は走り去って行った
毛利「豊前江さん!」
『豊前江さん!?えっ!?ちょっ!毛利君電気つけて!』
毛利「はい!わかりました!」
毛利君に急いで電気をつけてもらうと、扉の前には誰かが倒れていた