第23章 いざ!出陣!【23】
こんのすけと初対面してから数日が過ぎた
物覚えが悪い私は猛勉強もなかなか進まず、いまだに皆を出陣させてあげる事が出来ずにいた
今日も一人黙々と部屋で猛勉強していたが進まない…
『広間に誰かいるかな?誰かに聞きながらやろう』
そう思い冊子の束を抱えて広間へ向かった
広間を覗くとそこには誰も居なかった
『え~…何で誰も居ないの?いつも誰かいるのに…はぁ~茶室行こう、あそこなら台所も見えるし料理人の誰かしら居るでしょう』
そうして先に台所を覗くと天才料理人達が次の食事の準備や片付けをしていた
『お邪魔しまーす』
堀川「主さん?どうしたの?」
『勉強進まないし…堀川君達の邪魔しないから茶室に居ても良い?』
歌仙「どうぞ?こっちの片付けが終ったら、お茶を淹れてあげるよ」
『ありがとう!』
歌仙さんにお礼を告げて茶室に入るとちゃぶ台を引っ張り出し冊子を広げる
だけど五人が台所で忙しなく動き回っているのを思わず目で追ってしまう
手際も良いし見事である、そんな彼らを見ていると
小豆「そんなに見つめられると穴があきそうだよ?」
『あっ!ごめんなさい…皆、手際良くて凄いなって思って…いつもありがとう!』
燭台切「どういたしまして、でも改まってどうしたの?何か裏でも…」
『そんなのないよ!素直にお礼言っただけなのに!』
篭手切「主様、私は裏があっても構いません!下積み中ですから!」
『だから裏なんて無いから!…あっ!そうだ、皆、何か欲しい物ある?』
歌仙「本当に急になんだい?」
『はい、またも、ごめんなさい…あのね?もうすぐバレンタインでしょ?だから…』
小豆「う~ん、そうだねぇ~」
篭手切「バレンタインは思い人に気持ちを告げる日と聞いた事がありますが」
『うん、そうだね、だから皆にこの本丸の全員に日頃の感謝でなにかをあげたいんだけどね?』
燭・篭・歌・小豆・堀「う~ん」
五人は本気で悩み始めた
『おぅ…またも、ごめんなさい悩ませるつもりは無かったんだけど、何か考えておくね?』
欲の無い人達だなぁ~と思いながら、まだ悩んでいる五人が可愛いなぁと思ったのである