第22章 いざ！出陣！【22】

『はぁ…はぁ……やっぱり誰も捕まえられなかったか…前に皆で鬼ごっこしたの思い出したよ』


浦島「鬼ごっこ？なにそれ俺知らないんだけど？」


『そっか、浦島君が帰ってくる前の事なんだけどね？広間で鬼ごっこしたの、今みたいに誰も捕まえられなかった』


浦島「主さんが鬼だったの？」


『そうだよ？』


浦島「そりゃ無理でしょ？」


『なんだとっ！？』


長曽祢「主、その手でうろちょろしてないで手を洗ってくれ」


『はーい！』


和泉守「なんだぁ？お前やけに素直だな！？」


長曽祢さんは躊躇なく私の手を握ると外にある手洗い場へと連れて行く


『長曽祢さん！？手に絵の具ついちゃうよ！』


長曽祢「洗えば落ちるだろ？」


『ぉお✨相変わらずやる事なす事、いちいち格好いいんだけど！』


和泉守「お前、俺の話聞いてんのかぁ？」


『聞いてたよ？兼さんもこうやってさりげなく格好いい事してくれたら私も素直になるのに！』


長曽祢さんに握られている手を挙げて見せた


和泉守「てめっ！？」


そうして私は長曽祢さんに連れられて行った


大和守「さっき僕達、主の事掴まえてたはずなのに」


加州「気付くと離れてどっか行っちゃうよね～」


大和守「本当に僕達と一緒にいる時間なんて作ってくれるのかな？」


加州「さぁ～ねぇ」


大和守「ちょっと清光～主と一緒に居たくないの？」


加州「まぁ俺達との時間は自分のご褒美だって言ってたし心配ないでしょ」


大和守「そうだね！あっ！主が戻ってきたよ」


『ただいまー！よーっし！皆、襖にペタペタやってねー！』


天使「はーい！」


私も天使達に混ざって襖に近寄ると不意に誰かに後ろから手を引かれた


獅子王「主は襖から離れててくれ」


『なんで！？』


獅子王「襖と言うより絵の具道具からだな！また絵の具持って追いかけ回されたらたまったもんじゃないからな」


すると獅子王君に抱上げられると走り出しタンッと地面を蹴ると屋根にあがっていた


『なんで屋根！？』


獅子王「ここで皆の様子見ててくれ、終ったら迎えにくるからさ」


『えっ！？置いてかないでー！』


私の叫びも虚しく獅子王君は私を置き去りにして降りて行った