第22章 いざ!出陣!【22】
『よぉーっし!絵の具準備しよう!長谷部さん、絵の具道具も蔵の中にある?』
長谷部「はい、ありますので出してきます」
『ありがとう、その前に蔵の扉、全開にしない?少し空気の入れ換えしようよ』
長谷部「わかりました」
長谷部さんは少し開いている扉を開けると私はもう片方の扉を開けようと内側から押してみるがびくともしない
力いっぱい押してみてもズルズルと足が滑って下がるだけだった
『開かない…何か鍵とかかかってる?』
長谷部「主、そっちの扉は余り開ける事がなかったので錆び付いたか立付けが悪くなったのかもしれませんね」
『無理やり開けたら壊れるかな?』
長谷部「やってみましょうか?」
『うん!そ~っとだよ?そ~っとね?』
長谷部さんが扉を内側から押してみるとギギギッと音をたてて開いた
『ぉお✨開いた!長谷部さん、ありがとう!』
扉を全開にした蔵の中を見ると最近使った物以外は埃まみれになっていた
長谷部「確かこの辺にあったはず」
長谷部さんは絵の具が入った箱を持って出てきた
長谷部「主、ありましたよ?」
『うん!ありがと!…ねぇ?今度、蔵の掃除したい…』
長谷部「はい、それも近い内に皆でやりましょう」
そうして話ながら道具を広げ準備する
御手杵「おーい、襖できたぞー」
『わーい!ありがとう!じゃあ皆、手に絵の具塗って襖にペタッてやってね?その下にちゃんと自分の名前も書いてね?』
それを聞いて乱ちゃんが私に駆け寄った
乱「主さんが最初にやってね?真ん中に!」
『えっ!?私のいる?』
厚「いるだろ」
後藤「両手で頼むぜ?」
『両手!?』
乱「良いから、早く早く!」
乱ちゃんに絵の具を塗って貰うと御手杵さんが襖を起こしてくれてペッタンと手形をつけた
『出来たよ!さぁ皆もやろう!…あ』
絵の具がついた自分の手を見て思い付いた
『ふふふ…』
私が怪しい笑い声をあげると
和泉守「おい!あいつ何か企んでやがるぞ!」
『兼さん正解!うりゃあー!』
手を突き出し兼さんに向かって走り出した
和泉守「ばっ!お前こっちにくるな!」
勿論誰も掴まるはずもなく、それでも適当に追いかけ回しあちこちからキャーキャー!ワーワー!と楽しい声が聞こえた