第22章 いざ!出陣!【22】
『長谷部さーん!』
長谷部「はい、何でしょうか?」
一瞬で目の前に現れた長谷部さんに驚いた
『ぅわあ!はやっ!そして近いよ…』
目の前の長谷部さんを見上げるとニコニコと素敵な笑顔で私を見下ろしていた
以前のように暴走して抱き付いてくる事はなくなって安心するが、この距離感がおかしい事は否めない
そんな事を考えながらボーッと長谷部さんを見ていたらしい
長谷部「主?どうかしましたか?」
『長谷部さんのその機動力、私も欲しいよ』
長谷部「これは皆が出来る事です」
『あぅ~そうでした』
長谷部「主、それより俺に何か用があったのでは?」
『あっ!うん!絵の具ある?』
長谷部「絵の具ですか?あの襖に絵を描くんですか?」
『うん!そんな感じ!』
鶴丸「それなら俺が空に羽ばたく鶴の絵を描こう!」
大倶利伽羅「それに食らい付く竜も」
鶴丸「伽羅坊それはやめてくれ!」
大倶利伽羅「弱肉強食だ」
蛍丸「蛍が飛び交う絵なんてどう?」
愛染「それを愛染明王が見てるって感じで描こうぜ」
蛍丸「やだよ」
愛染「何でだよ!」
骨喰「城が燃えている絵」
鯰尾「それはさすがにやめましょうよ」
御手杵「皆好き勝手言ってんなぁ」
大盤若「盤若経を所狭しと書いてやるか」
御手杵「やめろよ?」
『皆、描きたいのがあるんだね?それも描かせてあげたいけど…これは私の我儘きいて欲しいな』
長谷部「何をするつもりですか?」
『知りたい?』
長谷部「怖いですね…」
『何でよ!?』
長谷部「誰かに絵の具塗って襖に体当りさせるとか?」
『そんな事させないよ!まぁ皆に絵の具塗るけどね?』
長谷部「わかりました、どんな事でもやって見せましょう」
『何?その覚悟を決めましたみたいな言い方~本当は最初、皆に寄せ書きみたいに名前書いて貰おうと思ったんだけど、それじゃ物足りないから手形採ってその下に名前書いて貰おうって思ったの、ダメ?』
小烏丸「主は面白い事を考えるのだな」
『小烏丸さん、参加してくれる?』
小烏丸「我はやるぞ」
『やった!ありがとう!』
するとあちこちから俺も!私もと声があがった
『皆、ありがとう!』