第22章 いざ!出陣!【22】
ピクッと体を強張らせた私に気付いた三日月さんは
三日月「主、俺が怖いか?」
『違うよ!ごめんなさい!怖い訳じゃなくて…』
三日月「そうか、それなら俺の話を聞いてくれるか?」
『ん?なに?』
優しく語るように話す三日月さんがかえって怖いと思い身構える
三日月「そんなに身構えるな、怒るわけではない、ただ…俺達は強いぞ?」
『なにそれ~そんなの知ってるよ~』
三日月さんの言葉を聞きホッとして力を抜くと抱き締めていた三日月さんの腕に少し力が入る
三日月「そうだろう?」
『そうだけど、またそれ言う?』
三日月「言わせてもらうぞ?なぜなら俺達が強いのを主は知っていて今更なにを恐れる必要がある?」
『そっか…そうだね?でも…』
三日月「なんだ?何をそんなに悩む事がある?俺達が信じられないか?」
『それも違うよ!三日月さん達と初めて会った時、皆キズだらけだった…痛かったでしょ?辛かったでしょ?またケガするかもしれないんだよ?痛い思いはさせたくないな…』
三日月「なんだ、そんな事か」
『そんな事って!三日月さん辛かったって言ってたじゃん!』
三日月「確かに言ったが、今はそんな心配はないからな?」
『何を根拠に!?』
三日月「主はすぐに手入れしてくれるだろう?しかも俺達に頭突きをくらわせて、痛いの痛いの飛んでいけ~とな」
『なっ!あれはわざとじゃないもん!』
三日月「はっはっは。そうだな」
『もぉ~三日月さん意地悪だ!』
三日月「よきかな、よきかな」
『意味わかんない!ぅわあ!』
ギャーギャーと騒ぐ私を抱上げた三日月さん
三日月「さて皆の所へ戻るか、襖も直さないといけないからな?」
『そうだった!襖、お腹に風穴開けられて痛くて泣いてるかも!』
三日月「主は今夜俺の腕の中で可愛く啼くか?」
『やめろー!』
三日月さんの腕の中で暴れて飛び降りると蔵を飛び出した
加州・大和守「えいっ!」
『ぐえっ!』
加州・大和守「主、確保!」
『ゎあ!二人とも、ここにいたの?って皆も!?』
二人の顔を交互にみてから更に後ろに皆がいた
三日月さんとの会話全部聞かれてたのかな?
恥ずかしくて申し訳なくて苦笑いをしながら俯いた