第22章 いざ!出陣!【22】
私が出て行った広間では
大和守「ねぇ、主のあんな顔見た事ないよ」
加州「俺も」
大和守「顔は笑ってたけど…」
加州「泣いてた…」
大和守「僕、主の所に行ってくる!」
加州「待って!俺も行く!」
二人が広間を飛び出すと皆も二人の後を追って広間を出た
皆が蔵にたどり着くと扉が少し開いていた
そこから覗いて見ると
『ヤダょぉ…───ヤダょぉ…───ぅっ…』
加州「あるじ…」
大和守「やっぱり泣いてる…でも、何て声かければ…」
和泉守「俺が一発渇を入れて来てやる!」
堀川「兼さんダメだよ!」
大和守「和泉守が行ったらもっと落ち込ませるか喧嘩になるかのどっちかでしょ?」
加州「ホントやめてよね?」
和泉守「なんだとっ!」
明石「それなら自分が何もしなくて良いんですよと伝えて来ますわ」
蛍丸「国行はダメ!本気で仕事サボろうとするから」
明石「蛍丸…」
千子「huhuhu、私が一肌脱ぎまショウ」
亀甲「ご主人様!僕がもっと可愛く啼かせてあげるよ!」
蜻蛉切・同田貫「お前は大人しくしてろ!話がややこしくなるだろ!」
千子・亀甲「っ!?」
千子さんと亀甲はいつもの如く蜻蛉切さんと同田貫さんに取り押さえられた
そこで私は外が騒がしい事に気付いた
急いで袖で涙を拭きその場で外の様子を伺う事にした
それも束の間で蔵の扉が更に開くと誰かが入って来た
三日月「主?襖を直す道具は見付かったか?」
『あっ三日月さん?うん、見つけたけど、箱も大きいし道具もいっぱい入ってるから重そうだし、どうしようか考えてたんだよ』
蔵の中が薄暗くて良かったと思った
きっと私の顔はそんなにはっきりと見えていないはず
それでも不安な私はさりげなく三日月さんに背を向ける
『しかしこの箱の山…何が入ってるんだろ?』
少し上にある箱に手を伸ばす
三日月「そんな事をしていると日が暮れるぞ?」
『あ~またそれ言う?だって気になるんだもん、少しこれ覗いて見るだけ、ね?』
振り返らずそう言ってまた手を伸ばす
するといつの間にか後ろに来ていた三日月さんは、そっと私を抱き締めた
『っ!?』