第22章 いざ!出陣!【22】
薬研「大将!」
鶴丸「主…」
薬研君が駆け寄ると私は鶴丸の腕の中でぐったりとして気を失っていた
大倶利伽羅「おい!狐、主に何をした?」
こんのすけ「私は何も!先ほど会ったばかりでご挨拶をしていた所、突然、主様が叫び襖を突き破って部屋を飛び出して行かれましたので追い掛けて来たのでございます!」
鶴丸「襖を突き破った!?」
こんのすけ「はい、そうです」
薬研「大将…襖突き破ってこの擦り傷つけたのか…」
薬研君はだらりと垂れている私の手を掬い上げると
薬研「手も足も傷だらけだな」
鶴丸「薬研…俺はどうしたらいい?」
薬研「あぁ、大将が気を失った理由まではわからないが、とりあえず寝せてやってくれ、俺っちは救急箱を取りに行ってくる」
鶴丸「あぁ、たのむ」
鶴丸は私を抱上げるといつもの場所へ戻りそっと座り私を横抱きにした
両脇から小狐丸さんと三日月さんが覗き込んできた
小狐丸「ぬしさま…泣いていたのですね涙の跡が」
小狐丸さんは私の目元を親指で拭いてくれた
『う…ん……………?』
鶴丸「おっ?主、起きたか?」
『ん?…鶴丸?私…』
こんのすけ「主様!目が覚めましたか!?」
声が聞こえた方へ振り向くとさっきの政府からの使いと言う狐がいた
『ひっ!いやーーーー!!』
鶴丸に力いっぱい抱き付いた
厚「大将があの調子じゃ話も聞けそうにないな」
後藤「こんのすけ、逃げるなよ?」
それから薬研君が救急箱を持って戻ってくると、鶴丸にしがみついている私を宥め手当てを始めた
その時になぜこんな事になったのかと話になり私はまたどこかへ連れて行かれるんじゃないかと思ったと話した
それを聞いていたこんのすけは、そんな事しません!と、この本丸が立ち直った事に政府が安心していると報告しに来たのだと言っていた
こんのすけ「主様に気付かれないように時々見にきていたのですが、この前、見つかりそうになりまして焦りました」
『この前って?』
私は未だに鶴丸の袖をギュッと握ったままこんのすけと話していた
こんのすけ「皆さんがバーベキューをしていた時です」
『………あー!あの時蔵にいたでしょ!?あれこんすけの目だったんだ!?』
こんのすけ「はい、私でした」