第22章 いざ!出陣!【22】
『政府…ってあの政府ですよね…?』
こんすけ「はい、主様をここに連れて来た政府からの使いです」
『っ!?ぁっ………やだよ……』
私はあの時ここに置き去りにされた時の恐怖や辛かった事を鮮明に思い出していた
こんすけ「主様?あっ!あの時みたいに主様を拐って…
『いやーーーー!!』
私はこんすけの言葉を最後まで聞かず襖を突き破って逃げ出して来たはずの広間へと走った
『やだよ…またどこかへ連れて行かれるなんていやだ』
広間に近付いて来ると私の足音が聞こえたのか広間では
鶴丸「おっ?主が戻ってきたな!この俺が大きな愛で受け止めてやろうじゃないか!」
燭台切「鶴さん、主に怒られないようにね?」
鶴丸「大丈夫に決まっているだろう!」
大倶利伽羅「その自信はどこからくるんだ」
鶴丸は広間の入口付近で手を広げて待機していた
また鶴丸の暴走阻止のため伽羅ちゃんが近くに立っていてくれていた
そして私は広間に駆け込むと鶴丸にドンッとぶつかり鶴丸は私を抱き締めた
鶴丸「おっと!はははっ!作戦大成功!どうだ?驚いたか?」
私は抱き締められている腕の中から鶴丸を見上げた
鶴丸「主!?何だその顔は!?傷だらけじゃないか!?木から落ちたのか!?」
私は鶴丸に抱き付いた
鶴丸「薬研!主の手当てしてやってくれないか?」
薬研「何だ?大将ケガしたのか?」
私が部屋に戻っている間に昼寝から目覚めた天使達も広間に来ていた
鶴丸「主…ん?」
鶴丸は私がカタカタと小さく震え何かブツブツ言っている事に気付いた
『お願いします…何でもします…何でもしますから…私は…ここにいたいんです…誰か…助けて下さい…』
鶴丸「何でもするんだな?」
鶴丸は皆に聞こえないように言ってきた
『はいっ…私はここにいたいんですっお願いします』
政府に対して恐怖のトラウマを持った今の私には、まともな思考能力はなく、鶴丸とやってはいけない約束をしてしまったのである
こんすけ「主様ーー!」
そこへ、こんのすけが私を呼びながら広間へ走って来た
『っ!?ぁっ…いやーーーー!!』
鶴丸「っ!?」
そうして私は気を失った