第22章 いざ!出陣!【22】
私の頬をツンツンする感触に意識が浮上する
『ん~やぁ!』
ツンツンする手を払おうと自分の手をブンッと振るとそのまま南泉君の頭を叩いてしまった
南泉「ニャッ!?」
南泉君は驚いて飛び起きると勢い余って廊下から落ちてしまった
南泉「い゛に゛ゃっ!」
大包平「ぷっ!あははははっ!」
南泉君は痛いなぁ~と頭をさすりながら起き上がると、私も何となく目を開ける
にっかり「主、目が覚めたかい?」
横からにっかりさんの声が聞こえているが、目の前にいるのは小竜君
『ん~?にっかりさん…?あれぇ?にっかりさん随分髪の色明るくなったね…服も派手になった…?』
小竜「いや、俺はにっかりじゃないんだけど…」
にっかり「主、僕はこっちだよ」
ん~?と声が聞こえてきた方へ振り向くとそこにはにっかりさんがいた
髭切さんの腕から這い出るとにっかりさんに近寄りぼーっと見つめた
にっかり「そんなに見つめられると穴があきそうだよ?」
『ん~、今ね、にっかりさんの偽物がいたの』
にっかり「それは僕の偽物じゃなくて小竜君だよ」
『小竜君?』
小竜「主?」
また声の方へ振り向くとにっかりさんの偽物と目が合った
寝惚けていた私の意識がはっきりしてくると
『………えっ!?ぅわあーー!』
驚いてにっかりさんの後ろに隠れると、にっかりさんの肩からそーっと小竜君を覗いて見る
小竜「…………………………」
『…………………………』
小竜「主」
『はいぃぃぃぃぃ!あっ!いや、その!私はただの居候です!』
にっかり「っ!?あ…主?僕の耳の脇でそんなに大きな声を出さないでくれるかい?」
『はっ!ごめんなさい…』
南泉「主~何で俺の頭叩いたんだ?」
また南泉君は廊下に顎を乗せ生首みたいにしてこちらを見ていた
『えっ!?叩いた!?うそ!?ごめんね!』
南泉君に近寄り頭を撫でながら痛いの痛いの飛んで行けー!をしてあげると目を細めて気持ち良さそうに撫でられていた
小竜「主、ちょっと良いかな?」
『はいぃぃぃぃぃ!』
シュタッと立ち上りそろりと小竜君を見ると苦笑いをしながら私を見ていた
小竜「そんなに俺が怖いのか?」
『あ、いや、そんな事ないよ?』
鶯丸「ビビり主」
『なんだと!』